2016年08月31日
盗難トラブルが介護施設で起きる原因は?防止のためにできる対策について
盗難トラブルは、介護施設でも意外と多いんです。盗難が発生し、仲間や利用者を疑いながら仕事をするのは、苦痛ですよね。利用者が安心して生活でき、職員も安心して仕事に集中できるようにするためにも、盗難トラブルが起こらないよう対策を立てておきましょう。
目次
なぜ盗難が発生するの?
介護施設で盗難が発生する原因は、たくさんあるんです。
見舞客や家族を装って侵入しやすい
施設には、利用者の家族や見舞客など多くの訪問者が訪れます。施設内を見慣れない人が歩いていても、利用者の親族や見舞客の可能性もあるため、不審者だと思われにくいのです。
利用者の部屋に施錠できないことが多い
利用者が室内で倒れてしまったり容体が急変した場合にスムーズに対応できるよう、利用者個人の部屋に鍵をつけていない施設も少なくありません。誰でも自由に居室に出入りできるため、管理状況次第では利用者の現金や貴重品を持ち出せてしまう環境なのです。
夜間の警戒が手薄になりがち
職員はナースステーションや休憩室、宿直室で待機することが多く、また、ナースコールや巡回などもあり、個人情報を管理するパソコンや書類、金庫がある事務室は無人になってしまいがちです。夜間は特に、施設の隅々まで目を配れません。
侵入しやすい作り
室内に光を取り入れやすくするために、玄関がガラス扉になっていたり窓が多い施設がほとんどです。防犯ガラスでない場合は、ガラスを割って室内に侵入しやすいため、盗難も起こりやすくなります。
経営者や職員の油断
「24時間職員が常駐しているから」、「現金を持ち込まない規則になっているから」と安心してしまい、盗難に対する意識が低くなってしまっていることもあります。防犯カメラを設置していても電源を切っている、なんていう施設もあるかもしれません。
盗難を防ぐ方法は…?
介護施設内での盗難を防ぐためには、どのようにしたらよいのでしょうか。
訪問した人の把握
訪問者は、家族や顔をよく知っている人であっても、必ず受付をし、誰が、いつ、どこに面会したのかを把握できるようにしておきましょう。出入り口を一つに絞ることも、外からの侵入者による盗難を防ぐには効果的です。
貴重品は持ち込まない
利用者や家族にも防犯意識を高めてもらうよう、繰り返し伝えることが大切です。職員も、多額の現金を持ち込まないようにしましょう。財布や貴重品を施錠管理できない場合は、ウエストバッグなどで持ち歩くなど、自衛も心がけましょう。
私物には大きくハッキリ記名
自分のものと勘違いをして持っていってしまう利用者もいるため、わかりやすいよう記名しておきましょう。認知症の利用者などもいる場合、必ずしも有効ではありませんが、ある程度の効果は期待できますよ。
利用者の私物リストの作成
利用者の私物の紛失を防ぐために、私物リストをそれぞれの利用者に作るといいですね。できれば、私物に名前を書き、施設内で撮影したことがわかる状態で写真を撮っておくと、よりわかりやすくなりますよ。
防犯システムの導入
玄関や廊下、裏口、階段など危険な場所、夜間に人気がなくなる場所に防犯カメラを設置・稼働する、深夜帯に無人になりがちな事務室や玄関には侵入検知センサーを設置し、人が通ればナースステーションに通報される仕組みにする、など防犯システムを導入することも必要です。
内部犯と思われる場合には…
盗難が起きてしまい、内部の人が犯人だと思われる場合は、利用者や家族に協力してもらい、紛失した日付や場所、金額(物品の場合は形状等)を書き出して、施設の共有部分に掲示しましょう。必要であれば、上層部に報告したり警察や民生委員に相談することも検討してください。盗難トラブルが起きても、黙っていないで問題にする、という姿勢を見せることが大切です。