2016年09月16日
移乗介護の腰痛対策!介護士が知っておきたい腰を痛めない介護のコツ
介護士にとって宿命的とも思われる腰痛ですが、できればそうはなりたくないですよね。しかし、日本で行われている移乗介護の方法は、腰痛を起こしやすいとも言われています。腰を痛めない移乗介護のコツを覚えておきましょう。
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目次
移乗介護は腰痛の原因になりやすい
利用者を前かがみや中腰の状態で抱えたり支えたりする作業が腰痛の原因となる、ということは皆さんご存知ですよね。移乗介護は特に、このような動作が多く、腰痛の大きな原因となるのです。欧米ではリフトやスライディングボードといった介護機器を使うことが推奨されているんですよ。移乗介護による腰への負担はそれほど大きいのです。
移乗介護のコツ
腰を痛めないための移乗介護のコツをご紹介します。
車椅子の状態
車椅子をベッドに寄せたり、手すりやフットレストを外すなど、移乗させやすい状態にしておきます。座面の高さやリクライニングも調節しておくといいですね。慣れるまでは車椅子の調整に時間がかかりますが、慣れると腰への負担が大きく変わります。
ベッドの高さ
ベッドの高さを高くしておけば、移乗の際に自分で持ち上げる必要がありません。利用者の身体を水平に動かすことを意識すると、腰への負担を軽減できますよ。
てこの原理
「支点・力点・作用点」という「てこの原理」を利用しましょう。例えば、寝ている状態の利用者をベッドの手前まで動かす場合、床の上に立って行うよりも片膝をベッドの上について行った方が楽ですよね。この場合の足が支点、対象者を支える介護士の手が作用点となります。支点と作用点の距離が短いほど、少ない力で介助ができます。
できるだけ密着
物を動かすときには、自分の重心と物の重心の間に新しい重心が生まれます。それぞれの重心が、新しい重心に近いほど負担が少なくなります。移乗介護の際にも、対象者と介護士の間に重心が生まれますので、できるだけ密着することで負担が少なくなりますよ。
身体をねじらない
移乗の際に腰をねじると、腰を痛める原因になります。対象者の体の向きを変えるときには、自分の足を動かして方向転換しましょう。常に肩と腰を平行に保つことを意識してくださいね。
残っている機能はフル活用
対象者に残っている機能はフル活用しましょう。立ってもらう、足を曲げてもらうなど、できる範囲のことで構いません。機能維持にもつながりますよ。残存機能をきちんと理解しておくために、日ごろからのコミュニケーションも必要ですね。
大きい筋肉を意識
大きな筋肉を使うと、身体にかかる負担を少なくすることができます。例えば、腕よりも太ももの筋肉が大きいですよね。腕の力に頼ってしまうと腰を痛める原因になります。足の位置を決め、腰を十分に落として、下肢を使いましょう。
小さくまとめる
大きいシーツを広げたままで動かすのは大変でも、小さくたためば片手で運ぶことができますよね。移乗対象者も手足を伸ばして寝ている状態で動かすのは大変です。手を胸の前で組んでもらう、膝を立ててもらうなど、対象者の身体を小さくしましょう。床との設置面を減らすことで、負担が小さくなりますよ。
セルフケアも大切
足や腰、背中の筋肉を伸ばすストレッチを取り入れたり、お風呂にゆっくり浸かって血行を良くするなど、セルフケアも大切です。休憩や睡眠で疲労を回復することも、腰痛の予防につながります。丈夫な骨を作るカルシウムや、こわばった筋肉の回復を助けるビタミンB群やEを摂取するなど、食生活の見直しも有効ですよ。ただし過剰摂取には気を付けてくださいね。
コツを覚えて腰痛を防ごう
力の入れ方や身体の使い方で腰痛は防ぐことができます。コツ押さえた移乗介護なら、腰を痛めるリスクがグッと低くなりますよ!