1. HOME
  2. 介護求人サイト比較ランキング介護士のハウツー廃用症候群とはどんな病気?ヘルパーが予防のために介護で気をつけること

2016年09月23日

廃用症候群とはどんな病気?ヘルパーが予防のために介護で気をつけること

廃用症候群

病気や怪我によって過度な安静状態を続けた際、使われなかった心身機能が衰えていく状態を「廃用症候群」と呼んでいます。今回はこの廃用症候群をテーマに、どのようなことがきっかけで引き起こされてしまうのか、また介護時にできる予防法などについて、ご紹介していきたいと思います。

お年寄りは注意!廃用症候群

若い世代も、風邪などで寝込んだ後は体力が落ちたと実感しますよね。しかし日常生活に戻ることで、徐々に回復していくことが可能です。ですが高齢者が同様に寝込んでしまった場合、筋力が衰えていくスピードが若年層よりも速いことで、動くことが出来なくなり、最悪の場合そのまま寝たきり状態となってしまった、というケースが珍しくないのです。

廃用症候群を引き起こすきっかけや症状には、さまざまなものがあります。

過度の安静による歩行困難

骨折などで過度な安静状態となっていた場合、怪我は完治しても歩くことができなくなった、という事例を数多く見受けます。これは筋萎縮によるもので、高齢者の場合、1~2週間の安静で2割ものの筋肉が萎縮してしまうといわれているのです。

過度の安静は筋萎縮だけにはとどまらず、心肺機能の低下で息切れしやすくなる、また低血圧となり起立時にふらつくといった症状も、廃用症候群の代表的なものです。これらも、歩行障害や活動力低下につながるといわれています。

排せつ障害

寝込む前、トイレは自立していたという方でも、何らかのきっかけで安静となり、その期間はおむつを使用せざるを得なくなった、ということもあるでしょう。その後、徐々にトイレへ行く訓練をせず、億劫だからといってそのままおむつを使い続けた結果、尿意も便意も感じることができなくなり、おむつを手放せなくなった、というケースも珍しくありません。

消化器官の衰えによる障害

胃腸の不調などが原因で、柔らかい食べ物ばかり摂取し続けた結果、噛むときや、飲みこむときに必要な筋肉が衰えていき、元の食事に戻れなくなった、というのも代表的な症状です。また、食べ物が誤って肺に入ってしまうことによる誤嚥性肺炎の危険性も、高まるといわれています。

褥瘡も代表的な症状

褥瘡とは、圧迫された部位の血流悪化による皮膚疾患のことをいいます。寝たきりや栄養状態悪化、皮膚のバリア機能の低下によるものが原因で、廃用症候群の症状として、代表的なものとなっています。

引きこもりによる精神的障害

病気や怪我の他、家族や同世代のお友達などが亡くなったときなど、高齢者が引きこもりとなってしまう要因はさまざまです。引きこもりは、安静時と同様に身体機能の低下も懸念されますが、それと同時に精神的な障害も引き起こす危険があります。

落ち込みがちになり、やがてうつ状態となる、また社会との関わりが薄くなることで認知症を発症する、ということにつながってしまうのです。

ヘルパーなら知っておきたい廃用症候群を防ぐポイント

廃用症候群の予防には、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは、ヘルパーが是非心がけておきたいケアのポイントをご紹介します。

過度な安静を控え、介護や介助をしすぎない

安静状態を続けるかは、医師などの指示によるところとなります。もしも安静解除となった際は、活動を再開できるよう促していくと同時に、過度な介助等を控えましょう。自分でできることは自分で、が鉄則です。

目標を把握し、一緒に頑張ろうと声かけをする

心身の状態、そしてリハビリプログラムや目標をしっかりと把握し、「頑張っていこう」と寄り添い、声かけをすることも大切です。前向きな気分へと導くことが、心身機能の維持・向上となり、やがて廃用症候群の予防につながります。

レクリエーションの参加を促す

通所時や入所施設で実施されるレクリエーションなどの活動時には、是非とも、積極的な参加を促していきましょう。それにより、身体機能の維持はもちろん、利用者同士がコミュニケーションをとることで、社会性を育むことが可能となります。自然と笑顔が生まれることで、認知症の予防や、うつ状態の防止へとつながることになるでしょう。

関連:そのレクリエーションで高齢者は本当に楽しい?介護施設で楽しまれるレクの工夫

まとめ

廃用症候群には具体的な指標はなく、身体機能を使わなかったことによる二次的障害を、総称してこのように呼んでいます。
予防対策としては、やはり「身体を動かす」ことが重要で、必要外に活動をセーブしてしまうことが、引き起こしてしまう一因となるようです。
廃用症候群を予防することは介護予防や自立支援の一因となり、それが関わる人全てにメリットを生み出します。
今回の記事を参考に、ヘルパーにもできることは何か、を考えてみてはいかがでしょうか。

介護求人サイト比較
介護・福祉・保育資格一覧

© 2024 女性に人気の資格・通信講座女資格ネット All Rights Reserved.