2016年09月06日
介護士が気を付けたい感染症と対策!予防のためのポイントをチェックしよう
大勢の人が生活をともにしていたり、同じ時間を共有するという面で、保育園や幼稚園・学校・介護施設では「集団感染」が起きることが多々あります。高齢者が多い介護施設では、免疫力が衰えている入居者・利用者が感染症にかかってしまうと、最悪の場合死者が出てしまうこともあります。
そこで、感染症を予防するための対策や予防方法についてまとめました。
目次
介護士が特に注意したい感染症は?
日本では厚生労働省が「高齢者介護施設では対応策を検討すべき感染症」を発表しています。
集団感染を起こすことがある感染症
施設の入居者・利用者だけでなく職員にも感染が起こり、集団感染を起こすことがある感染症です。
- インフルエンザ
- ノロウイルス(感染性胃腸炎)
- 結核
- 腸管出血性大腸菌感染症 など
油断をしているとすぐに感染が広がりますから、充分な注意が必要です。
特に高齢者介護施設で発症することがある感染症
健康な人には感染が少ないけれど、高齢者介護施設では集団で感染するおそれのある薬剤耐性菌の感染症です。
- MRSA感染症(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)
- 緑膿菌感染症
薬剤耐性があるため、治療方法が限られてしまいます。感染しないということが大切になります。
集団感染にはなりにくい感染症
血液・体液を介して感染する、集団感染には発展しにくい感染症です。
- B型肝炎、C型肝炎
- HIV感染症 など
通常の介助・介護生活では感染することがないため、大きな流行とはなりません。
感染症の原因は?
感染症にかかることを防ぐためには、まずどのようなものが感染源となるのかを知っておきましょう。
感染源となるもの
- 嘔吐物、便・尿などの排泄物
- 血液、体液、痰や膿などの分泌物
- 感染者が使った注射針やガーゼといった器具・器材
- 上記1~3のものに触った後で取り扱った食品など
もし、感染源となるものに触れなければならない場合には、素手で触ることはしないようにしましょう。必ず手袋やマスクを着用するようにします。
手袋は裏返しになるように脱ぎ、処分します。その後の手洗い・手や指の消毒も忘れずに行いましょう。
感染症にかからないために
大勢の人が接触・交流する機会のある施設では「感染経路を遮断する」ということが大切になります。
完成経路の遮断とは、
- 感染源・病原体を持ち込まないこと
- 感染源・病原体を持ち出さないこと
- 感染源・病原体を広げないこと
を言います。
この3つのポイントを徹底することで、「集団感染」を最小限に食い止めることが可能となります。
介護士自身が気をつけるポイントは?
いくら気をつけていても、施設に関係する限り感染症ゼロという環境を続けることは難しいことです。そこで、介護士が自分で感染症にかからないために気をつけたいポイントを紹介します。
感染源・感染を広げる立場にならない
勤務の前後はもちろん、自宅でも手洗い・うがいを徹底します。もし咳が出るような場合にはマスクを正しく着用しましょう。熱が出た場合には仕事を休むことが大切です。
体調を整える
自分自身の抵抗力を高めるために、規則正しい生活・栄養バランスを考えた食事を摂る・休息や睡眠をしっかりととるということが大切になります。
医療機関を受診する
自分で体調の異変を察知したら、早いうちに医療機関の受診を行うようにしましょう。定期的に健康診断を受けておくのも効果的です。
予防接種を受ける
インフルエンザなどは毎年決まった時期に流行する感染症です。早めに予防接種を受けることで、感染を最小限に食い止めましょう。
また、介護職に携わる中で受けておきたい予防接種としてはB型肝炎・風疹・麻疹などが挙げられます。もし心配なものがあれば、かかりつけ医などにも相談をするようにしましょう。