2016年05月28日
保育日誌や保育経過記録の書き方のポイント!効率よくつけるには?
保育士として働く方々の職場への不満として多く挙がるのが「持ち帰りの仕事が多い」「残業が多い」ということです。その原因となっているのが「保育日誌」や「保育経過記録」を書かなければならないことにあるようです。保育士の負担となってしまいがちなこれらの書類を、効率よく記入するためのポイントをまとめました。
目次
「保育日誌」「保育経過記録」って何?
まずは、「保育日誌」と「保育経過記録」の違いをみていきましょう。
保育日誌
日々の保育の実施状況を記録するものです。クラス全体の活動や出欠状況・ねらい・保育内容などと子どもの様子・保育者の反省などを書きます。
保育経過記録
保育日誌を元に、子どもの個人的な動きや発達について個別に記録します。子ども自身の変化はもちろん、周りの子どもや保育者との関わり方なども書いておくと、後々の指導計画作成にも役立てることができます。各クラスや学年などの大きな流れ・目標・日々の活動を記入するのが「保育日誌」、個々の子どもに関するこまかな活動・成長の記録が「保育経過記録」ということになります。
保育日誌・保育経過記録を書く際に気をつけておきたいこと
学校などで作文を作る際には「5W1Hを大切に」などと言われた記憶がありませんか?保育日誌などを書く際にはさらに項目を増やして「6W2H」を意識すると、分かりやすく書くことが出来るようになります。
When:いつ
Where:どこで
Who:誰が
What:何を
Why:なぜ・どうして
Whom:誰に・誰と
How:どうやって
How much:どれくらい
1日にあった出来事・気になったことを単語でもいいので書き出したら、あとは上記の項目を意識して文章にしましょう。すると、他の人が見ても分かりやすいものになります。また、一日の流れを書くだけでなく子どもの様子や変化を書くようにするのがポイントです。子どもの行動と合わせて、保育者からどのような言葉がけをしたのか、など具体的なことを書くのもオススメです。
保育日誌・保育経過記録を効率よく書くためには?
毎日続く、保育日誌・保育経過記録の記入・・・時には「書くことがない!」と思われる日もあることでしょう。また、日々の保育の中でつい子どもたちの言動を忘れてしまうこともあるかもしれません。効率よく保育日誌・保育経過記録を書くためのポイントはどこにあるのでしょうか。
ひな形(テンプレート)を作っておく
文章をどのように書くかをあらかじめ決めておくと、後は単語を入れていくだけの作業になりますので、比較的楽に保育日誌・保育経過記録を書くことが出来るようになります。
テンプレートの例としては、
「○○の場面で△△のような様子だったので、××ではないかと考え◎◎しました」
「○○が必要と思われるので、××までに△△します」
「○時頃、××くんが△△に熱心に取り組んでいました」
「○○くんの保護者より△△という相談を受け、××と回答しました」
というようなものが挙げられます。
これらを「外遊び」や「保護者対応」「体調」などの場面ごとにカテゴリー分けして作っておけば、必要な時に使えるので、便利です。何をどう書けばいいのか?ということは、同僚や先輩の保育士の記録を見せてもらいつつ、ひな形にしていきましょう。
隙間時間にメモをとる
時間後に、子どもたちの行動を思い出そうとしてもなかなか難しいことがあります。そんな時のためにポケットに常にメモ帳とペンを入れておき、気づいた時にメモをとるようにしましょう。おやつや昼寝の時間など、ちょっと手が空いたという時間に子どもの名前・気づいたことをメモしておくだけでも書類作成の作業が楽になります。
活動が活発なお子さんは、記録を書くのに困らないかもしれません。逆に、大人しく目立ちにくいお子さんにもしっかりと目を向けておき、内面の変化などを感じたら書き留めておくようにしましょう。
保育日誌の書き方例
○月×日(月)天候:晴れ ことり組(3歳児)/25名(男:13名 女:12名)
ねらい:周囲とコミュニケーションを取りながら楽しく生活する
8:30
☆順次登園し、挨拶をする。
- 連絡帳を出す。
- 外遊びに行く支度をする。
【保育の配慮】
- 元気よく挨拶をする。
- 連絡帳を出していない子に声かけをする。
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9:30
☆さんかく公園で「げんきマーチ体操」をする。
- 時間があれば落ち葉拾いをする。
- 園に戻って手洗い・うがいをする。
【保育の配慮】
- 安全に移動できるように、周囲に十分注意する。
- 列からはみ出した子は声かけをする。
- 体操は元気よく行う。
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10:00
☆厚紙でカエルを作る。
- ハサミとクレヨンの準備をする。
- 順番に画用紙を取りに行く。
- 先生の説明を聞いて各自作成する。
- できた人から先生に見せに行く。
- 片付けをする。
【保育の配慮】
- 作り方をわかりやすく丁寧に教える。
- ハサミの扱い方に注意を配る。
- 完成した作品を受け取る際に確認して褒める。
- 一人ひとりの作成スピードに注意し、必要あれば声かけをする。
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【幼児の観察、保育の反省、感想など】
全ての子どもと元気よく楽しそうに接するように気を付けた。外遊びの際に、適切な声掛けを行うことで、列を乱すことなくさんかく公園まで到着することができました。帰り際、Aちゃんが帰りたくないと言い、不機嫌な様子だたので、もう少し落ち葉が拾いたかったのではないかと考えて、あと3枚だけ拾おうと声をかけました。それによって納得したのか、3枚の落ち葉を拾って笑顔で園に戻れました。・・・・・・
保育経過記録の書き方例
1・2月 (3歳児)
【健康生活】
- 2月最初に熱を出すことがあり、お迎えをお願いする。
- 友だちのコップを並べてくれる。
- 苦手な野菜類も声掛けすることで食べるようになってきた。
【対人関係】
- 友達とおもちゃの取り合いが多い。
- 競争心が出てきて負けると悔しがる。
【言語・理解】
- 自分の名前をひらがなで書けるようになった。
- 日ごろの遊びの中で左右への意識がひくい。
【運動】
- ボールを上手にまっすぐ蹴ることができる。
- 背筋を伸ばして座ることができる。
【表現】
- 敬老の日のプレゼント制作がってもキレイにできた。
- シャボン玉をやると集中している。
- 拾ってきた葉っぱを画用紙に貼って動物を作ることに集中する。