2016年07月11日
虐待の疑いがあるとき保育士にできる対処や接し方!サインに気づくポイントは?
子どもが変な場所に怪我をしていませんか?触れようとすると極端に怖がったりしていませんか?保育士の仕事は、毎日子供たちと触れ合って過ごしていく中で、こういったサインから家庭における虐待やその兆候を発見する、という重要な役割も担っているのです。今回は虐待の疑いがあるときに保育士ができる対処方法や接し方をまとめてみました。
目次
保育士としての子どもたちへの対応
虐待を受けているかもしれない子どもを見つけたらどのように対応したらよいのでしょうか。
まずは子どもに安心感を
虐待を受けている子どもたちは「自分が悪い子だから」と思っていることも少なくありません。保育士に話したことで保護者からもっと虐待されてしまうかもしれない、という不安も抱いています。保育園が安心できる場所であること、「何を言っても先生は味方だよ」ということをしっかりと伝え、子どもに安心感を与えることが何よりも大切です。
ゆったりとした環境で話を聞いてみる
虐待について話を聞く際には、ほかの子供に聴かれないような場所を選び、子どもに威圧感を与えないよう1~2人でゆったりとした環境で話しましょう。誘導的な質問ではなく「どうして怪我をしたのかな」など子どもが答えやすい聞き方をします。嘘があっても決して問い詰めたりせず、受け止める姿勢を見せてあげてください。子どもが虐待について話してくれたら「話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えることも必要です。無理やり聞き出すようなことは絶対にしてはいけません。また、子どもは保護者を大切に思っていますので、保護者を否定するようなことは避けましょう。
保護者への対応
ほとんどの虐待は、子育てへの不安や苦悩が原因となっています。保護者が誰にも相談できずに悩んでいる場合もあります。子育てのつらさや頑張りなど保護者の気持ちを大切にし、そのうえで「何でも相談してほしい」ということを伝えましょう。親の反発心を招くと、子どもの心身の危険を大きくしてしまうことがありますので無理に聞き出したり一方的に指導したりするのは避けてくださいね。
疑いの段階で通告を
虐待により子どもの命が奪われてしまうことも少なくありません。虐待が疑われた段階で児童相談所に通告を行いましょう。
通告に対する不安は捨てて!
「通告する」となると、とても責任重大で難しそうなイメージがありますよね。虐待と判断がつきにくい場合もありますし、家庭事情を密告するような抵抗感も感じるかもしれません。しかし、何より大切なのは子どもたちの安全です。児童相談所は虐待されている子どもたちを救うと同時に、家族の援助も行ってくれます。子どもの安全のためにも、子育てに悩んでいるかもしれない保護者のためにも、不安や抵抗を捨てて通告しましょう。
できれば保育園として通告を
児童虐待防止法では、疑いがある場合でも通告する義務があります。通告の際は園長や主任の先生とも話し合い、情報を共有しましょう。可能であれば施設として通告を行うといいですね。市役所や福祉事務所に相談することも可能です。保育施設として通告を行った場合、虐待を通告した旨を保護者に伝えるよう協力を要請されることがありますが、その場合は施設長など上席が対応を行うのがベストです。
記録しておくと役に立つことも
虐待の疑いがある場合は、怪我や子どもの様子、不自然な状況などを日付とともに具体的に記録しておきましょう。子どもの状況の記録があると、もしも虐待がはっきりし児童相談所が動く場合にも、素早い対応ができますよ。
最後に
虐待は非常にデリケートな問題ですので、保育士にも繊細な対応が求められます。虐待の疑いを持ったときは一人で抱え込まないで園長や上司に相談しましょう。保育園全体で状況を把握し、子どもを守ってあげてください。