2016年09月16日
介護士が病院勤務するメリットデメリットや仕事内容!施設勤務との違いとは
介護士の職場は、介護施設だけでなく病院勤務という選択肢もあります。実は病院で働く介護士も意外と多いんですよ。介護士が病院勤務するメリットやデメリット、仕事内容についてまとめてみました。
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病院と施設の違い
病院は病気の治療を目的とする場所であり、生活の質を上げることが目的の介護施設とは考え方が大きく異なります。例えば、糖尿病の患者さんが「甘いものが食べたい」と言った際、介護施設では「少しだけね」と食べさせてしまうこともありますよね。
しかし、病院だとそういうわけにはいきません。患者さんの欲求を満たすことよりも、身体を治癒することが優先となるので、断ることがほとんどなのです。考え方が違うため、患者さんに対してとらなければならない行動も変わってくるんです。
病院勤務での主な仕事
介護士が病院で働く場合、食事や入浴、排泄の介助などが中心となり、それに加えて、看護師のお手伝いをすることもありますので、業務は多岐にわたります。ひとくちに病院勤務の介護士と言っても、病院にはさまざまな病棟や科があるため、業務内容もそれぞれで少しずつ異なりますよ。
介護施設で行われるようなレクリエーションは少ない傾向にあります。病院勤務の介護士は、「看護師の補助」という立ち位置になるため、看護師と良好な関係を築く必要があります。
介護士が病院で働くメリット
病院で働くメリットをみてみましょう。
労働条件がいい
給料が施設勤務よりも比較的高めの設定になっていたり、有給休暇がしっかりとれる、夜勤でもちゃんと仮眠が取れるなど、労働条件が整っているところが多いようです。病院が所属している組合のサービスが使える、働いている病院の医療費の自己負担を補助してくれる、などといった福利厚生がある病院もありますよ。医療に関する勉強会を行うなど教育制度が整っているところもあります。介護施設と比べると、全体的に労働条件がいいのが特徴です。
学べることが多い
直接医療行為を行うことはできませんが、目にする機会が多いのは病院勤務だからこそ。病気や医療用語、薬の名前などの知識が増えるのも、病院勤務ならではのメリットです。
また、病院には寝たきりや体の不自由な患者さんも多いため、食事や入浴、排泄などの介助の機会が多くあります。基本的な介助の技術はしっかりと身に付きますよ。病院勤務で得た知識と技術は、介護施設でも役につこと間違いありません。
病院で働くデメリット
病院勤務の介護士は、あくまでも看護師のサポート役という位置づけになります。そのため、看護師から指示を受けることが多いでしょう。日頃から「看護師の方が立場が上」と不満を感じている人には、難しい職場かもしれません。
医師や看護師、理学療法士など多くの職種の人との人間関係も大切になります。また、病院では医師のサポート役として看護師がいて、そのサポート役が介護士となりますので、介護士が管理職になる可能性が低いのもデメリットです。
病院と施設、どちらがおすすめ?
どちらも基本的な介護業務に大差はありません。どちらで働くかを迷った場合、労働条件や出世の良し悪しなどが、ひとつの判断材料となります。医療に興味があるか、患者さんの病気の治療のために生活の質を下げる選択ができるか、という部分で考えてみるのもいいですね。病院は治療、施設は生活、と目的が違うため、方向性が異なることは頭に入れておきましょう。
最後に
病院勤務は施設と比べて違う部分も多くありますが、それだけ多くのことを学ぶことができます。ケアマネージャーを目指している人や、身体介護を学びたい人は特に、病院勤務がおすすめです。また、介護施設でも医療知識はとても役に立つので、介護士としてキャリアを積むためにも、病院勤務を経験しておくと良いかもしれませんね。