2016年09月02日
介護業界から他業種へ転職するのは難しい?気になるリスクとその理由
介護職は、やりがいがありながらも待遇の問題や人間関係などで、離職率の大変高い職業といわれています。介護職から転職を考えた際、同業他社を選ぶか、または他の業種を選ぶか検討されるかと思います。そこで他業種への転職を希望した場合、どのようなリスクを伴うのでしょうか。今回は、こちらについて考えていきたいと思います。
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目次
円滑な転職なら同じ介護職
「現在の職場に不満があるので、転職したい!」と思い立った場合、現在就いている介護職そのものに不満があるか、という事を、まずは考えてみて下さい。介護職自体に不満は感じなかったり、その仕事にやりがいを感じているという場合は、その職は辞めない形で、新たな転職先を探した方が賢明です。やはりこれまでのスキルを活かせますし、何より介護求人は多い傾向にありますので、比較的、円滑に転職をすることができるでしょう。
介護職を辞めて転職したい!そのリスクは?
しかしながら、労働条件や健康上の理由などで、介護職以外の職業を検討される方もいらっしゃるでしょう。他業種の転職には、場合によっては以下のようなリスクを考える必要があります。
介護の資格は他の職業に生かせない!?
介護職には、「介護福祉士」をはじめとした資格が数多く存在します。これらの資格は、やはり「介護」のスキルと受け取られるため、残念ながら、他の業種に関していえばあまり意味のないものと言わざるを得ません。
キャリアをリセットする決心を!
勤続年数が長いといえども、介護士としてのキャリアは他の業種でプラスになるかどうか、考えはそれぞれにあります。新たに選ぶ職業にもよりますが、これまでのキャリアはリセットするという心構えが必要となってくるでしょう。そして昇給や昇格などに関しても、その業種でキャリアを重ねた人と比べた場合、少々難しいものとなることは否定できません。
面接時のリスク
転職の際は、履歴書にてこれまでの職歴を記載する必要があります。そしてそれを基に、面接時には必ずと言っていいほど、「なぜ転職を希望するのか」という質問が投げかけられると考えられます。上手く「前向きな転職」というアピールが出来れば良いのですが、例えば職場をいくつも変えていたり、勤続年数が極端に少ないなどといった場合は、「この人は辛抱のできないタイプなのかな…」という印象を与えてしまう可能性があります。
他業種への転職を成功させるポイント
介護職からの転職は難しい面もありますが、逆にそのスキルを活かし、転職を成功させている方も多くいらっしゃいます。どのような職業を選ぶか、などにもポイントがありますので、そのヒントをご紹介していきます。
コミュニケーション能力を活かした転職
介護士は、身体の不自由な方への介護をする職業なので、「人と接する職業」の一つとして数えられています。そこで培われたコミュニケーション能力を活かし、接客業、営業職などへの転職というのも一つの選択です。接客業は比較的求人が多いため、じっくりと新しい職場を選ぶことができますし、営業職の場合、例えば介護業界での営業職ということであれば、今までの知識を存分に活かすことができますよね。
介護の知識・スキルを活かした転職
介護士としてのスキルや、その知識が役立つ他業種もいくつか存在します。新たな資格取得が絶対条件となりますが、保育士や看護師などを例に挙げてみましょう。これらの業種は、福祉分野で介護職と共通する点がありますので、スキルを活かした働き方を期待することができます。しかし、これらは介護職と同等に重労働であるリスクも考えられるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。高い志を持った選択が大切です。
デスクワークを希望した場合、事務職の中でも介護事務や医療事務などは、介護士としての知識を十分に活かすことができます。これらは女性を中心に人気の高い職業として知られていますが、その分求人として扱われる頻度が低くなっていますので、いざ求人が出た場合も競争率が高く、事務職経験のある人材と比較すると、難関となる可能性が高いでしょう。
最後に
キャリアアップや昇給を目指した転職であれば、介護職のまま転職する、というのが望ましいですが、さまざまな理由で他業種への転職を望まれる方もいらっしゃるでしょう。今までのキャリアをリセットする必要があるなど、他業種への転職は多くのリスクを生じる可能性があります。
しかし一方で、転職することにより「新しい自分」を発見する一つの機会ともいえますので、志を持って新しい扉を開けていただけたら、と考えます。