2017年06月12日
介護のフェイスシートの書き方とは?アセスメントシートとの違いやポイント
介護で使われる「フェイスシート」とは一体どんなものなのでしょうか。アセスメントシートと混同してしまわないように正しく理解しておくことが大切です。
フェイスシートとは
介護におけるフェイスシートは、利用者の氏名や年齢、家族構成、健康状態などの基本データをまとめたものになります。基本データ以外にも、学歴や職歴、これまでどんな暮らしをしてきたかといった情報に加え、これからケアをするうえで必要となる病歴や既往歴、服薬の状況、受診している医療機関、主治医なども記入されます。
フェイスシートを見るだけで、その利用者がどのような人かがわかるようになっており、介護サービスを提供する前に利用者のことを詳しく知るための大切なものです。介護する立場の人は、フェイスシートの内容をしっかりと把握しておく必要があります。
書き方とポイント
まずは実施地域や氏名、性別、年齢とフェイスシートの作成者、記入日などを書きます。次に家族構成について記入します。同居や結婚の有無、家族との連絡方法などとともに、居住状態について(持ち家か賃貸か)も記載しましょう。
そして、健康状態について書いていきます。病気や障害、アレルギーの有無、現在受診している医療機関があればその情報や服薬中の薬についても詳しく書く必要があります。
続いて、生育歴における問題点や学歴、職歴について記入します。今までどのような職業に就いたのか、どのような仕事を長くしてきたのかといった職業についてと、正社員で働いていたのかパートやアルバイトだったのかなど働き方についても詳しく書いてください。
先ほども説明した通り、フェイスシートは利用者のことを詳しく知るためのものになります。フェイスシートを見ればその利用者がどんな人かわかるよう、できるだけ詳しく書くことがポイントです。
アセスメントシートについて
アセスメントシートとは
利用者の現状、利用者が何を求めているかといった情報を集めて、その情報から今後の課題を見出す分析をすることを「アセスメント」と言います。アセスメントシートは、その利用者にどのようなケアプランが必要かを判断するためのものになります。
利用者がどのような生活をしてきたのか、生活を送るうえでどんな問題点があるのかを記録していきます。「今後どうなりたいのか」という利用者本人や家族の希望を聞き、その情報をもとにケアプランを作成することになります。
アセスメントシート作成のポイント
アセスメントの基本的な方法は面接となります。「利用者の生き方」に関わるものになるのでアセスメントを行う際、質問の仕方や態度によっては、利用者や家族が本音を言えなくなってしまうこともあります。
正しい情報を得るために、利用者や家族と一緒に考えていく姿勢を持つことが大切です。質問には、「いつ」、「どこで」など具体性を持たせましょう。記入するときには文章だけでなく、図や表を取り入れ、できるだけわかりやすく記入するのがポイントです。
フェイスシートとアセスメントシートとの違い
フェイスシートには利用者の基本情報が記されており、利用者がどんな人なのかという情報が書かれたものになります。一方、アセスメントシートはケアプランを作成するために必要な情報が書かれたものになります。
フェイスシートで利用者の人と現状を知り、アセスメントシートで課題や希望を把握する、といった流れになります。これらの情報をもとにケアプランを作成していくことになりますので、どちらも大切なものです。
施設によっては、フェイスシートとアセスメントシートの様式を一つにまとめていることもありますが、介護する側の人間として、フェイスシートとアセスメントシートそれぞれについて正しく理解しておく必要があります。