2017年03月03日
知っておきたい介護予防ケアマネジメント!ケアマネージャーの業務内容に注目
これから先も、要介護認定を受ける高齢者はどんどん増えてゆくことが見込まれます。とくに年齢構成の中で大きなボリュームを持つ団塊世代が75歳以上となる2025年には介護の必要な高齢者の数がさらに爆発的に増加することが予想されています。
そのため介護の必要な人が増え続ける状態をただ受け入れるだけでなく、高齢者が要介護状態になるのを可能な限り遅くする、そして要介護状態になった場合でもそれ以上状態が悪くならないように、自立した日常生活を送ることが出来るように支援することが求められます。介護の必要になった人に介護サービスを提供するだけでなく、要介護状態になる人を出来る限り減らすために行われるのが介護予防事業です。
地域包括支援センターでのケアマネージャーの仕事
ケアマネージャーの勤務先として上げられる場所に地域包括支援センターがあります。地域包括支援センターでは主任ケアマネージャーのほかにも保健師や看護師、社会福祉士などが配置され、地域に暮らす高齢者を様々側面からサポートする役割を担います。そして地域包括支援センターでの大切な業務の1つに介護予防ケアマネジメントがあります。これは看護師や保健師などと共に、地域に暮らす支援や介護などが必要になることが見込まれる人々に、出来る限り長く地域で自立した生活が出来るように介護予防のための支援を行うものです。介護予防に対して高齢者自身が自発的に取り組むことで、少しでも長く自立した生活が送れるように事業の普及や支援などを行います。
介護予防ケアマネジメントの役割
世界一の長寿国となった日本ですが、寿命だけが世界で一番長くなっても健康で自立した生活が送れる、いわゆる健康寿命が長くならなければ意味がありません。医学の進歩によって生存期間だけが延びても長い期間寝たきりなどの介護の必要な状態が続く人が増えれば本人にとっても生活の質が低下することになるし、介護に関する費用の負担も社会全体に大きくのしかかってくることになります。そんな状態になることを出来る限り予防し、たとえ年令を重ねていくうちに要介護状態になったとしても、その状態がそれ以上悪くならないようにすることが介護予防ケアマネジメントの役割です。
地域の様々な拠点で実施される介護予防教室などがこれに当たるのですが、自力で会場まで足を運ぶことが出来る、おおむね65歳以上の人なら誰でも参加できるのが特徴です。社会全体が核家族という家族形態が増えたことで、高齢者だけの世帯や高齢者の単身世帯の割合が増加し、普段はほとんど家に閉じこもりきりで過ごすという人も少なくありません。
こうした状態は心や体を衰えさせることに繋がりやすく、放置すると認知症などの発症リスクが高まったり要介護状態になりやすいというリスクがあります。その人の現在の状態に合わせて体を動かしたり参加者同士がおしゃべりしたりお茶を飲んだりすることでリフレッシュできるような場の提供も介護予防ケアマネジメントの中に含まれます。
介護予防ケアマネジメント事業の対象者
介護予防ケアマネジメントの対象となるのは、要支援1および2の人、支援や介護が必要になる恐れが高いと判断された特定高齢者、現在は元気で活動的な状態にある一般高齢者の3種類の人々です。要支援の人を対象とした予防給付は、介護保険サービスを受けるときと同じくケアプランを立ててサービスを利用しますが、特定高齢者と一般高齢者を対象とした介護予防は将来的に要介護状態になるのを予防するために行われる事業で、体操で体をリフレッシュしたり、頭の体操で認知症予防をするといった様々な内容が工夫されています。閉じこもりがちな高齢者が参加しやすく、地域参加者との交流の場の提供の役割を持つものでもあります。