2016年10月08日
介護士の服薬介助で誤薬・飲み忘れを防止!気を付けたい注意点やポイント
高齢者である利用者は、何種類もの薬を服用している方も多く、薬の種類や量、時間などが指定されていることも多くあります。介護職員は薬の服用を介助するため、日々、誤薬事故のリスクを抱えています。
今回は、介護士の服薬介助で誤薬や飲み忘れを防止するために、気を付けたい注意点やポイントをご紹介します。
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目次
誤薬や飲み忘れを防止する方法
誤薬や飲み忘れを防止するための方法をご紹介します。
利用者の薬を把握する
誤薬を防ぐためには、それぞれの利用者が、いつ、どの薬を服用しているかをしっかりと把握することが最も重要です。利用者本人がきちんと理解していなかったりすることもあるので、家族からも聞きいておきましょう。
薬の内容だけでなく、既往歴なども把握しておくと誤薬のリスクを下げることができます。病気の状態や服用している薬などを把握できるよう、カルテを作成しておくといいかもしれません。
複数の職員でチェック
服薬介助をする際には、①薬をセッティングするとき、②利用者に配るとき、③薬袋をあけて口に入れる前、の最低3回は、その薬がその利用者のものであるかどうか、確認することが必要です。
ただし、一人の職員が全て行うと、作業の多さや思い込みなどから誤薬のリスクが出てきます。二人以上の職員で、チェックし合いながら行うことで、ミスを防ぎやすくなりますよ。
服用後の確認
自分で飲める利用者には薬を渡して終わり、としていることが多いのですが、落としてしまったり食事と一緒に下げてしまったりというトラブルが少なくありません。
薬が嫌いな利用者も多く、中には飲んだふりをしてトイレで吐き出す方や、薬を棄ててしまう方もいます。利用者がきちんと飲み込んだかを、しっかりと確認するようにしましょう。
ごみ箱のゴミを服用前に棄てるようにし、薬を飲んだ後のゴミとは別にすることで、誤薬や飲み忘れなどを確かめることもできますよ。
服薬介助の注意点
服薬介助をする際に注意したいポイントをまとめてみました。
飲ませるには必ず確認
薬の種類によって飲む時間が決まっているものも多くあります。介助の前には、「誰が、いつ飲む薬か」を必ず確認しましょう。正しい飲み方で、決められた量を飲ませることが大切です。飲み忘れがあった場合でも、命に関わる場合もありますので、自己判断で時間や量を変えるなどは絶対にしてはいけません。
服薬はできるだけ水で
お茶やジュースなどと一緒に飲むと、効果が減少したり副作用が出たりする薬もあります。できるだけ水で飲んでもらうようにしましょう。水以外で飲ませる場合は、医師や看護師に確認することが必要です。
体を起こして飲ませる
臥位での服薬は、むせや誤嚥の原因になります。臥位の場合は、頭を持ち上げたり横向きになるなど、できるだけ体を起こした状態で服用してもらいましょう。片麻痺の利用者の場合は、健側に薬を入れるようにしましょう。
最後まで確認
薬を口に入れたら、飲み込んでしまうまでしっかりと確認しましょう。薬を飲ませたら終わり、ではなく、服薬後にいつもと変わった様子がないか、副作用がないか、観察しておくことも大切です。
誤薬や飲み忘れは、命に関わることも
薬は本来、症状を抑えたり改善したりするためのものです。しかし、高齢者は、薬物反応に敏感で、副作用が現れやすいといが特徴もあり、飲み方を間違えると命を奪ってしまうこともあるんです。
利用者一人ひとりの薬を管理するのは大変なことですが、利用者の命を守るため、元気で安心して過ごしてもらうためにも、服薬の管理は責任を持って行う必要があります。職員同士の連携と細かいチェックを徹底し、誤薬や飲み忘れを防ぎたいですね。