2016年10月03日
ボディメカニクス活用のコツ!最小限の力で介護士の腰の負担を軽減しよう
介護士の職業病とも言われている腰痛。腰は、要と言われているほど体の中で大切な部位です。介護の仕事に生きがいを感じ、長く続けて行きたいと考えているのに、腰痛の為に泣く泣く退職する方もいると聞きます。このようなことがないよう、腰を痛めないようにしたいもの。
できるだけ腰への負担を減らして、最小限の力で仕事ができるよう工夫していきましょう。ボディメカニクスを理解していると、体へかかる負担を抑えて腰を痛めずに作業できるようになります。それに、疲労も軽減されます。
関連:移乗介護の腰痛対策!介護士が知っておきたい腰を痛めない介護のコツ
ボディメカニクスについて
介護の仕事は、体力的にも負担の大きな職業であるイメージがあるかと思います。その為、腰など痛めてしまう方も少なくないのですが、ボディメカニクスを意識することで体への負担を減らすことができるようになります。
ボディメカニクスとは、骨や筋肉、関節の繋がりや関係、仕組みのこと。体を上手に使うことができれば、重い物を移動したり持ち上げるなどの作業をする際も、体への負担を抑えながらできるようになります。
重心を意識して行動すること
ボディメカニクスで一番大事なことは、「重心を意識して行動すること」、「大きな筋群を使うこと」、「てこの原理を用いること」です。重心の位置をなるべく低くすれば、姿勢が安定します。姿勢は低いほど安定します。不安定な状態で作業をすると、腰痛や肩こりになりやすくなりますので注意してください。
足を広めに開いて膝を曲げるようにして、腰を低くします。このようにすれば、安定して作業がしやすくなります。また、介護者を移動させる時は、できるだけ相手に近づいて行うようにします。
そして、相手を上に持ち上げるのではなく、横にスライドさせるようなつもりで行うと楽にできるようになりますし、負担も軽減させることができます。椅子や車椅子から移動させる時などは、広めに足を開いて膝を曲げ腰を落とし、相手を水平に動かすさせるようにしてみてください。
大きな筋群を使うこと
手や腕、足などを使って作業するよりも、体にある大きな筋肉を使うようにして行った方が効率ですし、楽に行うことができます。足を開いて腰を下ろし、大腿四頭筋や大臀筋、大胸筋、後背筋などを使って移動するようにしてみましょう。これができれば、女性であっても無理なくスムーズに移動させることができるようになります。
日頃から筋トレや運動をしたり、ストレッチを行うなどして、ボディメカニクスがスムーズになるようにしてみるのも良いでしょう。大きな筋肉を使って行動すると、慣れるまでよけい疲労するような気もするのですが、上手く意識できるようになれば、安全安心の介護ができるようになります。
てこの原理を用いること
支点、力点、作用点。てこの原理を用いることで、大きくはない力であっても大きな力へと変えていくことができます。作業内容に合わせて、膝や肘などを支えとなる部分(支点)にして行います。
日常生活でも意識する
相手をまとめて小さくすることで、移動しやすくさせることができます。他にも、体はねじらないように注意しながら行うのもポイントです。こうすることで、力が発揮しやすくなります。
ボディメカニクスは、介護の現場だけでなく、ちょっとした日常生活の中でも意識して行うことができます。ものを移動したり、家事を行う時などにも取り入れることができます。こうすることで練習にもなりますし、何より体や腰への負担を減らせますので、是非意識してみてください。
同じ作業を行う場合でも、気温が高い時よりも寒い時の方が腰痛になりやすいと言われています。ですから、可能であれば四季を問わずできるだけ室内を快適な温度に保つことも必要です。また、腰を冷やさないようにすることも大切です。